最近の相談で、いちばん多かった困りごと
2026年10月1日
経営者からの最近の相談で一番多い困りごとは、「AI、AIって世間は騒いでいるけど、自社にどう取り入れたらいいの?」ということです。
AIに詳しい推進リーダーや人材が社内にいない、何から始めればいいか、どう業務に組み込めばいいか分からない、社員が個人的にチャットを使う程度にとどまっており、業務の本格的な自動化やシステム連携へ進めないのが現状です。
AIは我々が認識している以上に猛烈なスピードで発展しており、2~3年もすればAIを活用していない企業とそうでない企業は大きな格差がついていることでしょう。
東京大学大学院の松尾豊教授による試算では、日本の中小企業を含む企業の8割がメインの業務にAIを適用し、作業時間を10〜20%削減した場合、実質GDP成長率が年平均で0.2〜1.3%ポイント(条件によっては最大1.6%ポイント)押し上げられるとされています。
その中で、中小企業がまず目指すべき「 5ステップ」として
1.生成AI導入: チャットGPTなどの生成AIを組織内で使い始める。
2.データ連携統合: 組織内のデータとAIを連携させる(※RAGなどの活用)。
3.業務プロセス刷新: AIの存在を前提に、既存の仕事の進め方やプロセスそのものを見直す。
4.独自AI開発: 自社固有のAIモデルや、業界共通の基盤モデルを構築する。
現在の日本の実質GDP成長率は0.5〜1.0%程度で推移しているため、この「AIによる1%前後の押し上げ」は、人手不足に悩む日本経済にとって非常に大きなインパクトを持つ数字として注目されています。(2026.4.3日本経済新聞より)
※RAG(ラグ、Retrieval-Augmented Generation=検索拡張生成)とは、AIに、社内文書や独自の最新データを組み合わせて回答させる技術のことです。
通常の生成AIは「自分がすでに知っている知識(学習データ)」だけで答えますが、RAGを使うと、AIが回答する前に指定されたデータ(社内マニュアル、商品カタログ、議事録など)を自動で検索(Retrieval)し、その内容を元に回答(Generation)を生成します。
中小企業での具体的な活用例
① 社内ヘルプデスクの自動化: 総務や経理への「これってどう申請すればいい?」という質問に、社内規定ファイルを読み込んだAIが自動で答える。
② 業務マニュアルの検索: 工場の機械トラブルや、複雑な業務手順書のなかから必要な解決策だけをAIに瞬時に抜き出してもらう。
③ 営業資料・提案書の作成支援: 過去の提案書や製品スペックのデータを読み込ませ、顧客向けの文面を瞬時に作成させる。
RAGは、現在のビジネスにおいて「AIを自社専用の優秀なアシスタントに育てる」ための最もスタンダードなアプローチとなっています。